2026年5月
はじめてのガレット
ある日の会話。
Miyu:「ガレットが食べたいなぁ。」
Soup:「クレープ? ぼくも食べたい!」
Miyu:「クレープはクレープでも、ガレットね。本場のガレット。」
Soup:「ん? クレープと何が違うの?」
Miyu:「!!」
グルメなSoupが、ガレットをちゃんと認識していないなんて。
ガレットとは、そば粉で作るクレープのこと。
フランス・ブルターニュ地方で親しまれている郷土料理。
それなら一度、ちゃんとしたお店で食べてみなくちゃ。
ということで次の週末、MiyuはSoupをお気に入りのカフェへ誘い出した。

ここは神楽坂。
小さな路地を曲がると、リトルフランスの風が吹く。
Miyu:「ここだよ。」
Soup:「うん。いい雰囲気だね。」
そう言いながらも、Soupは初めてのものには少し慎重になる。
ランチのピークを避けて、14:00ごろに到着した2人。
店内は賑わっていたけれど、幸い待っている人はいなかった。
店員さん:「すぐにご案内しますので、座ってお待ちください。」
Miyu:「はーい。」
Soup:「はーい。」
Miyuはワクワク。
Soupはドキドキ。
案内されたのは、店内とテラスのちょうど間くらいの席。
この日はお天気もよく、外の空気が気持ちよかった。
Soup:「基本のメニューはどれ?」
Miyu:「それなら、ジャンボンのコンプレットじゃない? あとシードルね!」
Soupは、基本を押さえておきたいタイプ。

さっそく、シードルがサーブされた。
コロンとしたかわいいボレ(ボウル)に注いでくれる。
りんごの香りが、ふわっと広がる。
Miyu:「んー、美味しい。」
Soup:「ジュースみたいに飲めちゃうよ。」
このシードルは、Val de Ranceの「クリュ・ブルトン ブリュット〈辛口〉」。
ブルターニュ産のシードル専用りんごを100%使い、一番搾り果汁のみで造られているそう。アルコール度数は5~6%。
飲みやすいとはいえ、りんごの風味がしっかりしていて、味わい深い。
そして間もなく、ガレットも到着した。

きれいに折り畳まれた、香ばしいそば粉の生地。
中には卵、ジャンボン・ブラン、チーズ。
ふわりと立ち上がるバターの香りに、Soupの表情がゆるむ。
Soup:「サクサクだね。」
Miyu:「ジャンボンもしっとり柔らかくて美味しいね。」
Soup:「バターがもっと欲しいくらい。」
そうだ。Soupはバターが大好きだった。
店員さんが着ているSAINT JAMESのボーダーが、まるでブルターニュを旅しているような気分にさせてくれる。
Soup:「次はなに食べる?」
どうやら、ガレットはしっかりSoupの「美味しい記録」に加わったらしい。
食事のあと、隣の食材ショップにも立ち寄った。
ブルターニュのお菓子やシードルなどのお酒が並ぶ小さなお店。
そこで、Miyuは思わず足を止めた。
目の前にあったのは、エルミンの絵が描かれたビール。
Miyu:「……わたし?」
そう、エルミンはブルターニュ地方を象徴する小動物で、ブルターニュ公国時代に紋章や勲章にも採用されている。
ガレットを覚えたSoupと、エルミンのビールに出逢ったMiyu。
神楽坂のリトルフランスで、2人の美味しい記録がまたひとつ増えた。
Miyu:「また来ようね。」
<Cafe Information>
ル・ブルターニュ 神楽坂
東京都新宿区神楽坂4-2 コンフォート神楽坂1F